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先生の声
歯の根管治療の成功率

歯の根管療法(根の治療・歯の神経の治療)とは

 歯の根管治療とは「歯髄(しずい)」と呼ばれる歯の神経にまで達した虫歯の治療のことです。
 歯髄は歯の深い部分にあるため、歯髄まで達した虫歯は強い痛みを感じやすく、そのまま放置していても悪化する一方なので治療する必要があります。
 具体的な治療内容は、歯の神経を取り除いて神経が入っていた根管を洗浄・除菌し、薬剤を詰めて被せ物をするというもの。神経を除去し、なおかつ根管を削る治療なので高度な技術が必要です。
 きちんと根管治療が行われれば、歯を残したまま歯の機能を取り戻すことができます。
 アメリカにおける専門医による治療の成功率は、70-90%と報告されています。

日本における根管治療(根の治療・歯の神経の治療)の現状

 現在の日本における歯科治療は、諸外国に比べて質の良い治療ができているとは言いにくい状況にあります。
 残念ながら現状、日本の根管治療(根の治療・歯の神経の治療)の成功率は、30-50%と報告されています。
 なぜ諸外国に比べ、こんなにも成功率が低いのか?
それには次のような理由が考えられます。

・「健康保険制度」の限界
・専門医や専門歯科医院の存在を知らない

「健康保険制度」の限界

 日本の歯科治療のほとんどは「健康保険制度」による治療が可能です。
 その為日本では、歯科先進国と比べて格段に安価で治療を受けることが出来ます。日本における根管治療は、 1本 約9,000円ほど(このうち保険診療患者負担分は1〜3割)で治療を受けられます。ちなみに、アメリカでは1本10万円以上かかります。

 ただ、保険治療には「診療報酬の少なさ」「使用できる材料」「ルールによる制約」などによる限界があります。その為、いくら歯科医師が質の良い治療を実施したくても実施できず、その場しのぎの主訴解決にしかならない診療をすることになってしまっている場合もあるのです。

専門医や専門歯科医院の存在を知らない

 現状どの歯科医院でも根管治療を受けることができます。

 根管治療は歯科治療の中で最も時間と手間がかかる治療である為、質の良い治療を実施しようとするとそれなりの費用がかかります。

 保険診療における治療費負担が低いから良いだろうと、歯内療法専門医と保険診療の根管治療成功率や予後の違いについて、治療開始前に歯科医師からの説明がないため、その存在を知らない場合もあるかもしれません。

北海道における保険診療平均額の現状

 北海道における保険診療平均額(歯科)は1,500円台と全国でトップです。多くの患者さんが保険診療で満足されている結果だと思いますが、もし歯内療法専門医か歯内療法専門医院について知らない患者さんで、この人生100年時代に自分の歯を少しでも大切にしたいと考えている方がいれば…。根管治療(根の治療・歯の神経の治療)は最初の治療がもっとも肝心です!

 『歯がズキズキして眠れない』『冷たいもの・熱いものを食べた時にしみる』場合は、歯内療法専門医か歯内療法専門歯科医院にご相談下さい。
執筆者
札幌歯科 院長 坂本渉
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