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先生の声
内視鏡検査(胃カメラ)について

胃カメラの必要性について

 胃カメラで初期の胃がんを見つけるのも大事なのですが、それよりもっと前、胃がんになる前のピロリ菌による胃炎がある場合は、ピロリ菌を除菌することで胃がんになるリスクを減らすことができます。
内視鏡検査でがんを見つけることのほか、もっとその前の予防の意味でも検査は非常に重要になります。

ピロリ菌とは?

 昔からピロリ菌というものはあったのですが、以前は胃潰瘍や十二指腸潰瘍があれば、保険適用でピロリ菌除菌の処置を受けられるというもので、萎縮性胃炎は胃の老化の一種だと考えられていました。

 しかし今では萎縮性胃炎は胃がんの原因であることが分かっており、萎縮性胃炎での除菌が保険適用になった2013年以降、ピロリ菌による萎縮性胃炎があれば保険適用で除菌治療が受けられることになりました。ピロリ菌を除菌して、以後は定期的な胃カメラを行うことにより、胃がんのリスクを減らすことができます。

 胃カメラで見ると、胃の荒れ方でピロリ菌がいるかどうかがわかります。ピロリ菌による胃炎の状態は、胃酸やアルコール、食事やストレスなどでただれた胃の粘膜とは違っているのです。

胃の主な症状は?

 胃の主な症状・病名は、胃痛、みぞおちが痛い、吐き気、嘔吐、逆流性食道炎、機能性ディスペプシア等が挙げられます。

 その中の一つ、近年幅広い世代に見られる逆流性食道炎とは、胃酸が食道に逆流することによって起こる病気です。胃には酸から粘膜を守る防御機能がありますが、食道にはないため胃酸にさらされると炎症が起こります。

 胸やけ、吐き気、酸っぱいものが上がってくる、のどの違和感(イガイガ感、ヒリヒリ感)、げっぷが出る、胃もたれ、胃痛、咳が出る、お腹が張る、食欲不振など様々な症状が出ることがあります。

 これらの症状は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどの病気でも出ることがあるため、自己判断はせず胃カメラを受けましょう。

当院では飛沫感染対策をしっかり講じた上で検査を行っておりますので、安心して受診下さい。
執筆者
札幌北円山内科・内視鏡クリニック 院長 山本文泰
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