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ヘルスケアコラム
女子の性感染症 生理中のセックスは感染リスクがいっぱい!

子宮内膜炎などの要因に 不妊症になってしまうことも

女子の性感染症の特徴は、生理中にセックスをすると感染する可能性が高いことです。
淋菌のような感染力の強い菌であれば、おりものが増えたり腹痛を起こしたりするため、その感染にすぐに気がつきます。しかし、クラミジアのような感染力の弱い菌であれば、痛みがないので感染に気づかず、子宮内膜炎、卵管炎、腹膜炎などの慢性の炎症を起こしてしまいます。すると、そのうちに腹部が張ったり痛んだり、あるいは手足の冷え、体のだるさ、肩こり、疲れやすさなどの自律神経症状が出てきます。
これらのうちもっとも怖い病気は、子宮内膜炎です。この病気は自律神経の失調をきたすため、更年期障害と同じような症状が現れます。さらには、習慣性流産を起こしたり不妊症や、子宮外妊娠になったりすることもあります。
生理中のセックスはこれらの病気を引き起こす可能性がある、とても危険な行為であることを知っておいてください。

エイズになる危険度はなんと10倍!

クラミジアやパピローマウイルス、淋菌などは、女子の膣の粘膜や子宮の頸管(けいかん)に感染して炎症を起こします。特に子宮頸管に生じると、その部分は表皮が剥けて傷がつき、雑菌の感染が容易に起こるびらんができてしまいます。子宮の入り口にびらんが発生すると、エイズの感染率が10倍近く上がると言われています。
男子の性器は、尿道から雑菌が入ってきても膀胱で止まって、それ以上入っていきません。しかし、女性の性器は、外からペニスや指などが入ってきて、雑菌が子宮の中を通って腹腔(ふくくう)まで達してしまい、いろいろな性感染症を起こしやすくなります。
事実、女子の性感染症ではクラミジアが右肩上がりで増えていますし、不妊症が増加しているのもこれらのことが関係しているようです。

クラミジアの60%はオーラルセックスで感染

オーラルセックスはフェラチオと呼ばれていて、よく風俗店で提供されています。
このような現況のなか、クラミジアの約60%は性器外感染、つまりセックスではなくてフェラチオで感染していると言われています。
フェラチオの場合、口の中には雑菌を殺す酵素もあるわけですから、亀頭部の愛撫や、ペニスを口に含んでの出し入れでは感染しません。ただ、精子の口内発射は危険です。のどの粘膜に菌を含んだ精液が付着した場合には炎症を起こしてしまいますから、間違っても口の中で射精をさせてはいけません。
【引用・参考文献】
 総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画