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ヘルスケアコラム
無理なダイエットやストレスが月経不順を引き起こす

低温が2週間、高温が2週間続くのが正常

一般的に「成熟期の女性に約1カ月の間隔で周期的に起こる子宮からの出血」は生理やメンスなどと呼ばれていますが、正式には月経と言います。女性のからだは妊娠に備え、脳下垂体から女性ホルモンが分泌されますが、月経はそのホルモンによってコントロールされています。
月経の仕組みは、【図1のように】卵胞刺激ホルモンによって卵巣が刺激されて卵胞(らんぽう)が成長する「卵胞期」、卵子を卵巣外に排出させる「排卵期」、受精卵が着床する準備を整える「黄体(おうたい)期」、妊娠しなかった場合に子宮内膜が血液と共にはがれ落ちる「月経期」の4つに分けられます。
月経か否かを見分けるには毎日、寝起きの口の中の体温を測定し続けるという方法があります。36.7度が一つの基点で、その体温より上を高温、下を低温と言います。通常は低温が2週間続き、排卵と同時に高温状態が2週間続くのが、正常なサイクルです。

生活スタイルが乱れ、排卵のない月経などが多発

妊娠していない成熟期の女性の月経は、高温が2週間続いたあと、体温が低下して子宮から出血が始まります。ところが、生活が不規則になったり、ストレスのため、決まった日に排卵しないと、排卵がない無排卵性月経が月に何回も来ることがあります。
妊娠もしていないのに、月経サイクルが不順になる主な原因として、ダイエットや過食が挙げられます。ひと月に3㎏以上やせても増えても危険です。極端な体重の増減は月経を不順にしてしまうからです。また、ストレスも大きな原因です。情報の氾濫によるストレスや人間関係によるストレスも加わって、排卵日が不定期になるケースが増えてきているのです。また、不定期な生活や運動不足も原因となります。
月経時の生理痛は、子宮が収縮して内膜をはがすときに走る痛みです。この間スパイス類を摂取したり、強いストレスを感じたり、寝不足になると、その痛みが助長されます。

不正出血のチェックは婦人体温計で

子宮からの出血には、月経のほかに不正出血によるものがあります。月経は2日目がもっとも出血が多くなり、約1週間で止まりますが、そうしたパターンが確立されていない出血を不正出血と言います。その見分け方は、排卵の有無を観察する婦人体温計しかありません。
不正出血の間は低温が続きます。また、月経は、膣内の雑菌を流す効果もあります。ですから、月経が止まると女性のからだにはさまざまな影響が出てきて、雑菌が流されなくなり炎症を起こしてしまうこともあります。
【引用・参考文献】
 総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画