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ヘルスケアコラム
子どもの成長パターンを知り健全な発育環境を整えよう

3、4歳ごろになると消化器・呼吸器機能は大人並みに

子どもたちのより健康な成長・発達のためには、出生数や乳児死亡率の減少、疾病の解明と軽症化などを推し進め、さらに疾病の予防、育児相談、健康診断などで、より子どもの健康の維持・増進を図らなければなりません。
小児のからだは生理機能的には3、4歳ごろに大人にかなり近づきます。特に消化器機能や呼吸器機能などはほぼ大人と同等になります。一方、神経・筋機能は大人の30~60%程度まで発達します。

言葉や運動機能がどんどん発達する乳幼児期

生殖器は胎生※第7週では男女両性の特徴を持っています。その後、女胎児では生殖器の中の組織の一部から卵管や子宮が発達し、男胎児は精巣上体と精管に発達します。さらに、精巣や卵巣から分泌されるテストステロンなどの性ホルモンにより生殖器を成熟させます。成人に見られる性ホルモン(下垂体のゴナドトロピンや視床下部のゴナドトロピン放出ホルモン)は思春期になるまで放出されませんが、この理由はまだ解明されていません。
各器官系のなかでは神経系の発育がもっとも早く(図1)、小学生低学年で80~90%、小学生高学年でほぼ成人レベルに達します。一方、生殖器系は遅く、中学校に入ったあたりから急速に発育し、20歳ごろに成人レベルに達します。
乳幼児期には精神機能、社会的機能、運動機能の発達が月ごとに見られます。3カ月ごろになると首が座りはじめ、母親に微笑むようになります。そして1歳前後になると、何かにつかまって立ち、細かい運動や複雑な運動ができるようになり、次第に言葉が発達してコミュニケーションがとれるようになります。急激に知的な発達が進むのです。

体重は1歳で3倍 身長も1.5倍に急成長

からだの成長は生後3カ月で出生時体重のほぼ倍になり、1歳で3倍に達します。また身長も1歳で1.5倍(図2)という、乳児期は長い人生でもっとも発育の著しい時期です。
少子化時代を背景に、現在、子育て環境への課題がクローズアップされています。たとえば、核家族化、一人っ子の増加、教育環境の変化、遊びの環境と内容の変化、働く母親の増加など、子どもの成育に影響する重要な課題が山積されているからです。また、食生活では「いろいろな食材をとる」「ゆっくり楽しんで、よく噛んで食べる」といった食習慣に加え、小児期の減塩などの重要性が強調されています。これらの問題にどのように対応していくかが、これからの子どもの発育に大きく関わると言えます。

※胎生●母親の体内で子が発生、生育する現象。
【引用・参考文献】
 総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画