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ヘルスケアコラム
「健康」食品で健康被害続出!「効く」「治る」のキャッチフレーズにご用心

未承認薬を混入した違法な健康食品が後を絶たず

2000年以降、違法な健康食品を含め、健康食品による多くの健康被害が報道されています。違法なものについては、2002年に「中国製健康食品で死者発生、ダイエットに用い10人が肝障害」との報道がありました。当初は中医学に基づくもので安全であるとの反論も行われましたが、肥満症の治療薬で肺高血圧症、弁膜性心疾患の副作用の危険があるため日本では未承認のフェンフルラミンの誘導体が検出され、無許可医薬品を混入した違法な健康食品として結論づけられました。
違法な健康食品はその後も後を絶たず、やはり日本では未承認の抗肥満薬シブトラミンを混入した製品が見つかり、さらに2004年には、滋養強壮・強精をうたった製品から勃起不全薬シルデナフィル類似物質が発見されています。

「健康」の文字に規制なし 「ダイエット」願望も巧みに利用

このように違法な健康食品は認可、無認可にかかわらず医薬品を混入した事例が目立ち、ハーブ茶だから安全、カプセルに詰めたサプリメントで高品質などと消費者に安全と錯覚させる販売が行われています。以前より「やせるお茶」を標榜するものに下剤の薬効を持つダイオウやセンナなどの生薬が混入されていた例も多くあります。また、違法ではないものの、そういった健康食品で下痢、嘔吐などの健康被害が話題になったものもあります。医薬品と食品の区分については、医薬品の範囲に関する基準に従い、(1)成分本質、(2)効能・効果、(3)形状、(4)時間や使用量の特定から総合的に判断されます。
しかしながら、「健康」の文字をつけることには規制がないため、誤解や健康被害を招く一因となっています。いわゆる健康食品は一般食品に分類され、特別用途食品、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)とは区別されます。関連する法律には薬事法、健康増進法、食品衛生法、JAS法(農林物質の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)などがあります。

薬剤師などの専門家からしっかり説明を聞いて上手に選ぼう

ハーブやハーブサプリメントには科学的な有効性の証明があるものと、伝承が根拠となっているものがあります。特定保健用食品(トクホ)に分類されるものは、認可を受けた製品であり、「摂取上の注意」を守ることで安全に使用できるものです。一方で、医薬品でないにもかかわらず、「○╳病に効く」、「○△が治った」などの広告を掲げる健康食品には注意が必要です。特に違法な健康食品は、有害な物質・成分が表示されていないため事故につながります。薬剤師、管理栄養士などの専門家のいる店舗で、十分に説明を聞いたうえで適切なものを選びましょう。
【引用・参考文献】
 総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画